なぜAIは世界を妄想できないのか

世界設定とテキストが1対多ならば、なぜテキストから世界を妄想することが困難なのか。端的に言ってしまえば1対多という前提が厳密には間違っているからなのですが、ここで安易に間違いだと結論づけずに人間の妄想がどのような性質を持つかを考えると新たな可能性が見えてくると思っています。ひとつのテキストから読み手が描く妄想はおそらく各人でまったく同じものではないでしょう。その一方で2次創作は同じでないにもかかわらず1次創作ファンに受け入れられることは多々あります。設定が似ているからといえケースもあるでしょうし、ファンの嗜好に共通項があるからという場合もあるでしょう。なんにせよ、テキストから生み出される世界は完全に独立ではなく、この緩い関係性をモデル化できれば強引に1対多の構図に持ち込めると考えています。例えば、テキストから生まれる妄想を複数の並行世界を抱えた1つの世界として見なしてしまえば、各世界の間に矛盾があったとしても1対多にはできます。これだけじゃアイデアとしては足りませんが、この方向性で煮詰めていくつもりです。